多重人格
地獄の始まり
それは突然始まった。
私は子供にしたら体型がクラスメートより少し大人だった。

その日は決して忘れない

いつもより機嫌が良く優しかったおやじ。その裏には悪魔がいた。
私が小学校の卒業式の前だった。
珍しくおやじが遊びに行こうと誘ってくれた。親に愛されたかった私は何も考えずに喜んで付いて行った。
でもそれは遊びでは無かった。ある場所に到着するとおやじの態度は一変し、私を犯した。

「お前は俺の子供とは認めない」
「この事をおかんや誰かに言ったら殺す」
と言いながら…

怖くて、痛くて記憶が無くなった。もうひとりの人格の始まり。
私の中でまだセックスに対してあまり知識が無い中で起こった事を自分が受け入れる事が無理だったんだろう。
それから度々おやじは私を犯した。
「言うと殺す」と言いながら…
そのたびに私は記憶を無くした。気がつけば全てが終わってる。
そして中2の夏
私は妊娠した。悪魔の子供を…
元々、生理不順だった為におかんは気付かず、体の変化におやじが気付いた。
夏休みに私はおやじの愛人に病院に連れていかれ手術をされた。理解が出来ず、ただ辛く哀しかった。
なんで?
どうして?
その言葉が頭の中をぐるぐる回る。
帰り道、愛人は言った
「あんたが悪いんだ」
自分が女であることを憎んだ。男ならおやじを殴り倒してやるのに。それと同時に殺意も芽生えた。
そしてまた私の中で何かが弾けた。
3人目の人格が生まれた。男の人格、「しょう」が。
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