JUNKETU ~首筋にkissの花~
3
あれから、気が付けばジュンを目で追っている自分がいる。
クラスメイトって何かと不便だ…
授業中、ぼんやりと空を見上げてたり、ニヤニヤしながら何かを懸命に書いていたり、首を傾げてあからさまに困っていたり、見ていて飽きないくらいにコロコロと表情を変える。
それから、ウチのクラスは勿論、他クラスを含めてジュンを狙ってる野郎が多いという事実も知った。
友達も多いみたいで、休み時間とかもジュンを中心に人の群れが出来ていたり、常に笑い声がしていたり、
「ハール!今日は抜けないの?」
ギュウッと後ろから抱きつかれて後頭部に柔らかい感触がした。
タプンとした質量が必要以上の密着を手助けしている。
「ミツ…」
「ねぇ、今から抜けてボックス行こうよぉ!今日からフリータイム半額なんだよぉ!」
バカっぽい口調のミツは俺の保存食の一人で、平均よりも大きな胸とプックリと厚い唇が自慢らしい。
保存食とは言ってもあからさまに噛み付きは出来ないので情事の最中に数回に分けて食事する。
行為により上気した血は普段より滑らかになり、味も良くなる
が、
処女のソレとはやはり違う。
ミツとは数回の交わりがあるが、いまだに首筋の跡が俺のモノとは気付いていないらしい…
「カラオケー?気分じゃねぇ」
「えぇぇー!じゃホテル行く?」
「ホテルねぇ…」
どうやら(いや、あからさまに)誘われているらしい。
発情期ってヤツか…
「あ、ハルんちに行きたい!!連れてってくれた事ないじゃん」
「はぁ?」
「ハルんち!行こっ、ハルんち!」
グロスののったぼってりした唇が弓形に歪んで同じ単語を何回も主張した。
「俺んち?」
「そ!ハルんち!」
視界の端にジュンの姿を捉えてから立ち上がる。
「ヤダ」
「なんでぇ!ハルんち、パパだけだからハルは一人なんでしょお!」
しつこくしてくるミツは腕に自分の腕を絡めて、まだ諦めてはくれない。