JUNKETU ～首筋にkissの花～

５

携帯の呼び出しに応じてしまったのは何故だろう

断る事も無視する事も出来たのに…




眠るジュンを置いて､ショクジに出掛けた俺はいつも通りに保存食の獲物と身体を重ねる｡


愛だの恋だの､そんな面倒な感情はお互いに望まないのが関係を保つルール｡


唇を重ねて､身体な舌を這わせて…



コイツは気が強くプライドも高い｡

そんなヤツを組伏せて服従させるのが楽しいゲームだったハズ…



プライドも何もかもを振り乱して鳴く様を冷たく見下ろしていると､熱を持った掌が顔を覆った｡




「ハル､何考えてるの？」

「…別に､何も」



甘えた様な声とクネリとさせる腰付きは多分計算している仕種なのだと思う｡



「…何でもねぇよ」


「アンッ､ハル…」



少し優しい笑顔を見せて胸に抱き寄せてやれば､女は満足気に俺の名前を呼んだ｡


そして､自分の首筋を俺につき出す―――




「今日は噛まないの？」


「は？」


「ハルは興奮すると噛む癖があるじゃない？あたしもアレ気持ちイイから好きなのよね！だから…」



「噛んで…」と耳元で囁かれ､首筋に牙を立てる――――





「ッ…！！！」


「やっ！ちょっとハル！どうしたの？」




口に含んだ段階で感じた違和感は喉を通る時には熱い何かに変わっていた｡

ドロッとした液体…

身体中が拒否反応を示して…


身体が…溶ける

喉が焼ける――




「ごめん…」


「え？ちょっとハル！」



裸のままで洗面所に駆け込み




「ウェッ！ゲフッ…ゴフッ…ゥッ…」



全てを吐き出した｡



洗面台に飛び散る赤い花に嫌悪感を感じて､また吐く…


俺の身体はどうなってしまったのだろうか




「ハル…大丈夫？」



鏡越しに俺を見ていた女が洗面台の赤を見て泣きそうになっていた｡




「なんでもないから」