JUNKETU ~首筋にkissの花~
片手にぶら下がるエコを主張するビニール袋の中には、プリンやらヨーグルトやら、サプリメントやらがガサガサと音を発てていて
反対の腕に抱える
デッケー黒と白のコイツは人の苦労も知らずにマヌケな笑顔を晒している。
コレの入る程のサイズの袋がなかったので、梱包は透明は袋をセロテープで止めただけのモノ。
今が夜明けで良かったと心底思った。
だいたい、なんで二等身なんだよ!頭と身体が同じように丸いって、ドラ●もんもビックリだろ…
苦し紛れに独り突っ込みしながら、家の前まで来ると柔らかい灯りが漏れている。
…嘘だろ
ちらほらと新聞配達が動いているこの時間に家に電気が灯っている。
…ガチャッ
鍵を開ける金属の擦れる音とほぼ同時に聞こえてきたのは
「お帰りなさい…」
パジャマ姿で膨れっ面のジュンの声だった。
「………ぅん」
何と答えていいのか戸惑う俺がいた。
シテキタコトが事だし、抱えているモノがモノだし
「ドコ行って…ぇ、きゃあっ」
「コレやる。俺疲れたから寝るわ。じゃあ」
両手の荷物を全部ジュンに押し付けて足早に二階にかけあがった。
呆然としたジュンは俺の渡した荷物を両手で抱えて何も言えずにいるみたいだった。
―――バタンッ
…俺はどうしたらイイんだろうか?
部屋に入るなりベッドに仰向けになり手の甲を目にのせた。
女とシテイタコトが妙に後ろめたい。
昨日もしていた事なのに…
何故か今日は隠していたかった。
艶かしい唇も厭らしくくねらせた身体も熱い体温も感覚も日常にあったモノなのに、今はソレを全て消してしまいたい。
白になりたい…
自分の両手を見るとマダあの時の体液がまとわりついている様な幻覚が見えて、ガシガシと乱暴に服で手を脱ぐった。