JUNKETU ~首筋にkissの花~
「と思うんだけど…って何やってんの?」
「マヨネーズを…、キャッ!」
会話を繋ぎながらマヨネーズの容器を振っていたジュンが短い悲鳴を上げた。
振り回されたマヨネーズが飛び散りまるで…
「何やってんの」
「ありゃ…、やっちゃった」
顔やら髪やらに飛び散ったマヨネーズをティッシュで脱ぐってやれば、ジュンは口元のを自分の舌でペロッと舐めてみたり…しやがる。
「お前っ!」
「うわっ!ベタベタだ…」
まるで誘ってるのかと疑いたくなる様に身体が熱を帯びる感じがした。
「先に食べてて?あたしお風呂入ってくる」
「へ?風呂!」
「うん。…どうしたの?顔、真っ赤だよ?」
「なっ、なんでもない!」
「ふーん。」
そのままパタパタと浴室に消えていくジュンを唖然と見つめた。
なんだか…試されている気がする。
自分の気持ちに気付いた矢先に
オヤジがいなくなり、
二人きりで、
アレはアレで天然で誘う様な仕種をして、
こっちは思春期真っ只中の健康男子なんですけど…
聞こえてくる水を流す音にいちいち過剰に反応してしまう自分が恨めしい。
脳内がピンク色で有らぬ方向の妄想が膨らんでいくのが嫌でも分かった。
あの身体中に赤い痕を残しながら、俺のモノに出来たら…
唇を重ねて、
指を絡ませて、
舌を這わせて、
俺を刻みつけて
俺の下で鳴かせてみたい
どんな顔で
どんな声で鳴くのだろう
最期の瞬間は俺の名前を呼ばせてみたい…
なんて無理なのはわかっているのに――――
そんな事をすればきっとこんな穏やかな時間を過ごす事が出来なくなるだろうし、俺への信頼感もなくなってしまうだろうから
こんな感情は胸の内にしまい込んで忘れてしまわなくてはいけない
それに、
ソコまでして手に入れたい感情なのか…
まだソコに踏み込めないでいる
違うな、
嫌われたくないだけだ