忘れようとした君へ・・・
3章

1

一樹の命日の日、真紀は仲の良い友達と帰路につく為に歩いていた。すると、愛があるお店の前に立った時に「あれ、見て!!あの人」と言い真紀の足を止めた。

真紀「一樹!!!」その時、真紀の頭には一樹が言ってくれたある言葉を思い出した。

     「高校卒業したら結婚しよう」

真紀は、その彼にくぎいる様に見つめていた。すると、その視線に気付いたのかその彼が真紀の方に振り向いた。その状態でも、真紀は目をそらす事もなくじっと彼をみていた。

すかさず、愛が「ごめんなさい、何でもないんです。真紀行くよ」と言いながら2人は再び歩き出した。

愛が真紀の様子を伺う様にして「あれ、一樹じゃないよね?」と口にした。真紀は「違うよ」と言いながらも、彼の事が気になっていた。

ある日、愛から来週の日曜日にちょっと買い物に付き合って欲しいと遊びに誘われた。

親友の愛からの誘いという事もあり、特に予定もなかったので真紀は一緒に遊ぶ事にした。

待ち合わせの場所に着いて、愛を待っていても一向に現れない。

駅前での待ち合わせだったが、少し離れた所になんと以前見かけたあの彼がいた。

すると、彼も真紀の事に気がつき側によってきた。

「・・どこかで会いませんでした?」と急に話しかけてきた。

真紀にとったら忘れもしない人だし、「はい。この前はすみませんでした。

ずっとみつめっちゃて。あまりにも、私の知っている人に似ていたんで・・・」と話し返した。

すると彼は「そういう事か(笑)やっとあの時の状況が読めた」と笑いながら言った。

彼の笑う姿・笑うと少し八重歯が見える所・全て一樹にそっくりだった。

死んだはずの一樹が生き返ってきてくれたとも思った程だった。

一樹って呼びかけたかった。
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