ゴスロリ彼女のキスの味


 両親は作家で平日でも自由が利く身のはずだから。


 身勝手な安心感を植え付けたら、また眠くなってきた。


 二度寝の睡魔に勝てず、長椅子に横になって身を沈めた。


 すぐに夢を見た。


 無人島でおれは独りぼっち。


 なのに、気分は悪くない。


 真っ白く汚れのない砂浜で寝転び、ぼんやりとエメラルドグリーンの穏やかな海を眺めている。


 何もする必要がない幸福感に満足している様子。


 そのとき、静かな海に突然水しぶきが上がった。

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