ゴスロリ彼女のキスの味


「宇宙船といよりもタイムスリップしたような気分だよ」

 おれは平静を保ったような口調で答えた。


 いまさらながらゼロの家よりも先に、倉吉の家に入ってしまったことへの罪悪感が芽生える。


「実はココ、おじいちゃんが3年前まで住んでたんだけど、今はテスト期間中に私が勉強するために使うくらいなの」

 倉吉が住んではいないということで罪悪感が和らいだが、執行猶予付き。


「勉強のためだけ?」


「そう。自分の部屋よりもココのほうが集中できるの」


「倉吉の家は別にあるんだ」


「自宅はごく普通の家よ」

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