ゴスロリ彼女のキスの味


「それじゃぁ、ココは普通じゃないということは認めるんだな」

 おれが茶化し気味に言うと、倉吉は鼻でフフッと笑う。


 玄関から真っ直ぐ行くと、手前に鉄格子の扉、その奥に大人ひとりで回せるのか疑問に感じてしまう大きなハンドル付きの堅牢な扉があった。


 鉄格子の扉とハンドル付きの扉は開けっ放しで通過は可能。


 銀行として建てられたものだから、奥の部屋が金庫室だということは安易に想像できる。


 10帖くらいのスペースには簡素な木製の棚が左右の壁にあるだけ。


 その隅で足を交差させ、膝を抱えた前傾姿勢の体育座りで女の子が金庫室の備品の一部となって固まっていた。

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