ゴスロリ彼女のキスの味


 幽霊が出てもおかしくない静かな環境を想像していたが、そうじゃなかった。


 デートする状況としては不適切。


 ゼロがゴスロリ女だったとして、こんな状況下の学校に来れば捕まるのは目に見えている。


 正門の柵をよじ登り、学校をグルッと一周したが、ゼロの姿はない。


 “おれはここにいるぞ!”と叫んでもよかったが、おれはある失敗に気づき“あっ!”と声を上げそうになった。


 倉吉の言ったことで、確実に当たっていることがある。


 おれは本当におめでたい奴だ。


 学校に居る理由がなくなった。

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