ゴスロリ彼女のキスの味


「あら、もう元気になったの?」

 チラッと白い天使が振り向く。


「く、く……く、倉吉……なんでおまえが……」

 悪夢を見ているようでクラクラッと眩暈がした。


「なんで?あぁ~ひょっとして田中君は蜜姫さんの焼死体を見ちゃったのかしら」


「ゼロの……しょ、焼死体……あれはゼロだったのか?」

 おれは頭を抱え、数分前の記憶を逆再生してみる。


 顔は判別がつかないくらいひどい状態で、衣装は黒く焼け焦げていた。


 わからない。あれがゼロだったのか、本当にわからない。

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