ゴスロリ彼女のキスの味


 でも、ここに倉吉が立っているということは……。


「ゼロを殺したのか?」

 おれは恐る恐る訊く。


「それはどうかしら。私が田中君を助けた理由と蜜姫さんの安否を知りたかったら、一人で北郷小学校のグラウンドまで来ればいいわ」

 倉吉はゼロが生きていることを臭わせた。


「もったいぶらずに、いま話せよ」


「田中君、あなたは命令する立場じゃないのよ」

 倉吉の言葉には上から押さえ付ける力があり、なにも言い返せなくなる。

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