ゴスロリ彼女のキスの味


「来るの?来ないの?」


「わかった、必ず行く」


「先に行って待ってるわ」と言ってから倉吉は腕時計を確認して「チッ」と舌打ちをする。


「0時までに来るのよ!」

 上から目線で待ち合わせ時間を告げた倉吉は、腕を組んだままおれの前を通り過ぎた。


 するとタイミングよく、一台の黒塗りの高級外車が停止して倉吉を拾っていく。


 運転は黒いスーツ姿の男。


「あっ……」

 おれから驚きの声がもれた。

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