ゴスロリ彼女のキスの味


 おまえには手出しできないのだから黙っとけ、という脅迫。


 きっとゼロはあんな男達に囲まれて、息苦しい生活を強いられていたのだろう。


 その後、おれは病院のベッドへ。


 制服の警察が事情を聞きにきたが、男に言われた通り答えるとさっさと引き上げた。


 血相を変えて飛んできた母親は「この子、昔インフルエンザ脳症にかかったことがあるんですけど、CT検査しなくて大丈夫でしょうか?」と過剰なまでに心配していた。


 インフルエンザ脳症……どうやら倉吉が言ったことには本当のこともあるようだ。

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