ゴスロリ彼女のキスの味


 おれはゼロに背中を向けた。


 “待って!”とゼロが飛びついてくることを想像し、歩くスピードを緩めたが、門扉が閉じる耳障りな音しか聞こえてこなかった。


 おれのゼロへの期待は虚しさが込み上げてくるだけ。


 焦る必要はないさ……と自分を慰める頻度がこれから増える気がした。

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