窓ぎわ彼氏
カラオケボックスを出て
つめたい風に当たった
外にはまだ水川は居なかったので
入口の近くの段差に座った
壁にもたれて目を瞑っていたら
「はぁはぁ、捺。
ゴメン、遅くなって。」
「水川だぁ。」
「うん、そうだよ。」
「頭いたい。」
「なんでお酒なんか飲むんだよ。」
「だってぇ間違って飲んじゃったんだもん。
水川のバカ」
「何で俺・・?
分かったからもう帰ろっ。
捺の家何処?」
「忘れたー。」
「えぇっ!?
忘れたって・・・。
あぁもう靴脱がない。」
「だって邪魔なんだもん。」
「じゃぁもう俺の家でいい?
ここから近いし。」
「えぇぇぇ水川の家?」
「嫌?」
「行きたーーい。」
「じゃぁ行こ。」
水川が手を私に差し出してきた
でも私はその手を取らなかった