窓ぎわ彼氏
私は荷物を持って水川の部屋を出た
「俺が先に行って気引くから玄関から出といて。
少ししたら行くから待ってて。」
「・・・うん。」
本当に水川に迷惑ばっか掛けて最低だ
後悔しつつ私は水川について行った
救いだったのがリビングを通らなくても
外に出れることだ
音を立てずに階段を下り、
リビングのドアが見えた
「そこが玄関だから。」
私はうなずいた
水川はリビングに入って行った
「おはよー。」
という声が聞こえた
多分水川のお母さん・・・
冷や汗をかきながら玄関に向かう
玄関のドアに手を掛けた時
「へぇ~。」
って声が後ろから聞こえた
ギクって思い後ろを向く
背の高い男の子が立っていた
「兄ちゃんの彼女、可愛いじゃん。」
あっ弟かぁ、と思い少し安心する
「あっごめん。
お邪魔しました。」
一刻も早くこの場を離れたい私は外に出ようとした
鍵の開け方分からない・・・
「俺があけてやろうか?」
「お願いします。」
「その代わり俺と付き合わない?」
「はい?」
「兄ちゃんにはもったいないし、
いいでしょ?」
「それとこれでは話が違うというか・・・。」
ガチャ
「はい、どーぞ。」
「ありがと。」
私が外に出ると
なぜか水川の弟も外に出てて
「で、返事は?」
「返事って・・・。」
私が困ってると
水川の弟に抱き締められた
「ちょっと、水川来るから離して。」
「兄ちゃん来なかったらいいの?」