窓ぎわ彼氏
「ちょっとあれ水川だよ。
横にいる女の人誰?」
「そーか?
俺目悪いし見えねぇ。」
「私は水川しか見えない。
もうちょっと近づいてみよっ。」
樋口を引きずりつつ
電信柱に隠れつつ
どんどん近づいて行った
そっと覗こうと思ったら
樋口も見たいのか
私の後ろから前に顔を出している
「樋口近い。
ちょっと・・・・」
「近いって言ってんでしょーーーー。」
一向にどかない樋口を
私は力一杯押した
「それにお尻に手当たってるし。」
その力に負けた樋口は道の真ん中に尻もちをついた
「いって。」
「あっごめん。
大丈夫?」
手を伸ばしたとき
水川達がこちらを驚いた顔で見ているのに気づいた