LOVE&MASK
今、あたしの目の前にいるのは学年1イケメンと知られる、1つ上の先輩だ。
「なんつーかさ…。」
まただ。
みんな決まってめんどくさそうに視線をそらしながらこう言うんだ。
「み…」
「見た目に騙されたって…?」
「なっ…!」
ビンゴ。
するとその先輩は一つため息を吐き出す。
「そういうとこだよ。…もっと可愛くできない?」
何か呆れた、とでも言うような視線で言うんだ。
「普通で良いんだって。きついことばっか言わないでさ、普通に女の子らしく甘えるとか…そういう…」
もごもごとハッキリしない言い方。
あー…もうめんどくさい。
「さよなら。」
もう会いませんから。
そう言い放つあたしは、先輩の前を後にした。