LOVE&MASK
「普通に恋愛したいだけなのに…。」
自分の性格がどうしてこうなったのか、なんてあたしにはわかるはずもなく。
17年間積み重ねたものがこの短期間でどうにかなるなんて思えない。
つまり、あたしの性格はどうにもできないと?
最近諦めかけている。
まあ、好きな人がいるわけでもないし…
うん、大丈夫。
そう自分に言いかけるしかないのだから。
「レイー!!」
教室へ戻るとあたしの友達、加奈子が飛びついてきた。
「先輩なんだって?」
あたしとは正反対。
これがきっと男の求める女像なんだろう。
「いつと一緒。終わったよ。」
例えるなら天使。
ふわふわで小さくて甘え上手。
「また?もー…そんな男こっちから願い下げだよね!」
可愛くて思いやりがあって、きっとおとこはみんなこういう女の子が好きなんだろうって、加奈子を見ていると自然と思い知る。
「簡単に付き合ったあたしが悪いっていうのもあるけどね。」
「それはないよ。レイをわかってない男が悪い!」
そんな加奈子も彼氏はいるわけで、かれこれもうすぐ1年かな。
「加奈子は?今日一緒に帰るんでしょ?」
「うん!」
ほら、とびっきりの嬉しそうな笑顔。
普段部活が忙しい彼氏と一緒に下校できるなんてめったにないから、すごく嬉しいんだろうな。