LOVE&MASK


「それじゃ、レイも気をつけて帰ってね。」


「うん、バイバイ。」


教室から加奈子を見送った後、あたしも帰り支度を始める。


すっかり教室は空になっていてすでにあたししかいない。



夕日になりかけた空が教室の色をオレンジへと変えようとしている。



あたし…今までどれくらい続いたことあったかな。


最高で…2ヶ月?


はは…

笑えないくらいに短い。


数だけは人並み、むしろそれ以上だって言うのに…



「あーダメダメ。」


帰ろう。



キツイ…かあ。


というか、あたしだってそれなりに恥ずかしいとか思うわけ。

おまけに人見知り。


だからそんな1週間やちょっとで、何でも話せるなんてありえない。


だから自然と言い方もそっけなくなってしまうのかもしれない。



なんて自分では思ったりもするのだけど。



まあ…その辺の事情は言わなきゃわからないよね?


伝える努力もめんどくさい、と思ってしまうあたしがやっぱり悪いのかも?



そんなことを考えながら、玄関へと向かう。


靴を履き替えながら、ふと外に目をやる。



「は…?」



さっきまでの綺麗な夕日が嘘のように、雨に変わっていた。


え?何?



通り雨?



バケツをひっくり返したかのようなその降り方。



「いやいや、笑えないし。」


置き傘なんてあるわけもなく…。


これは止むのを待つしかないかな。


…用事があるわけでもないし、別にいいか。


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