儚い幸せ
それから近くのファミレスに行って話を聞くことにした
『で、なんかあったの?』
「…………俺、ずっと言えなかった、
離れていくんだ、みんな
俺の家のこと知ると」
『私は離れないよ…』
私の言葉に竜牙はやさしく微笑んだ
「俺の家さ、
極道なんだ…」
『えっ…』
一瞬驚いて息を飲んだ
でも家のことは関係ない
私が好きになったのは〈竜牙〉という一人のひとなんだから
「恐い?おれのこと」
『全然、竜牙の家が極道だろうと何も変わらないよ!』
「そっか…」
一瞬、竜牙がすごく悲しい顔をした
「俺、美佳が大好きなんだ…ずっと一緒に…一緒にいたかったのに…!」
竜牙の言葉に、竜牙はまだ私に言ってないことがあると私は悟った
……そしてそれは決して私たちにとって良いことではなくて
竜牙は一人で悩んでいたんだろう
『全部話して…
まだ私に話してないことあるんだよね…?』
竜牙は静かに頷いて話始めた