だから愛した。
「…花穂子はあたしのだかんね」
ムカつく男にベーッと舌を出した紗英にそいつは何故か顔を背けて手で顔を覆った。
?、何こいつ…?
変な疑問を思い浮かべながらも、緩む頬は抑えきれなくて
「花穂子お姉ちゃんってゆーの?遊ぼっ!」と駆け寄ってきたちびっこ達と
「友達になろ~」と笑顔で話しかけてきてくれる同い年くらいの男女の太鼓メンバーの人達にまた笑顔を向けた。
―…その間に、
紗英が複雑な表情を、
あいつに向けている事も
何も、知らずに―……。