人生時計の針
母の顔は泣いていなくて

私たちの前で必死に
涙を流さまいと頑張って
こらえていた。

こんなときくらい泣いたらいいのに。

でも私は知ってるよ
お母さんが夜私が寝たあと
リビングで
泣いていたのを・・

私は寝室で一人
声を殺しながら
布団をかぶって
泣いた。泣いた。

涙が枯れるまで泣いた。

次の日もそのまた次の日も
家から出なかった。

自分では少し幼すぎて
ひいおばあちゃんが
この世からいなくなった
という実感が全くなく・・

絶対生きてると思い込んでた。

けどそんな思い込みは
すぐに捨てさせられた。


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