rainy kiss
【芽亜】



「不幸だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」なんていう叫びが学校中に響き渡った頃、


私の派手でかつイケカワのデコデコのキラキラな仕事用の携帯に一本の電話が入った



『カナメ?』


「なに、なんかクレームでも入った?入る訳ないよね、完璧な私だもの。で?仕事?」


『そう、仕事』


「なんの?あ、ついにドラマとか来ちゃった系?」


私は結構マルチな歌手として活動したいため、ドラマなどの仕事を強く希望してる。


だけど、歌手である私がオーディションなんて性に合わないから仕事が来るのを待ち続けてるだけ……主題歌とか挿入歌とかCDのCMは正直どうでもいいの!



『妄想中に、非常に言いにくいんだけど、CMよ』


「えぇ~!?また挿入歌…」


『違う!今回は演じる方よ!』


「…………え」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!?」


「一人で演じるの?!えぇ~、どうしよ~…でも、視聴者は私一人でお腹いっぱいよね!」


『…共演者います!!』


「…ッチ。まぢかよ、誰だよ、そいつ」


『水城奈緒』


「はぁ?…うざ」


『まぁ、演技とかも入ってるCMだし、ドラマに繋がるかもだし、とりあえず、引き受けるから』


「分かったわよ」



いじめ倒してやるわ、くそ男が!



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