花咲く所に恋来たる☆



………。
………。

「ひ、日向ぁー…。 起きてよぉ…」

あれから5時間が経過したと言うのに、全く起きない。


停電も直ると思ってたもんだから、ろーそくとか、ランプとかも全っ然、準備してなかった。

それも、日向の家だし。


携帯を取り出しても、圜巻。
さ、最悪だ……。

この世に、“世界一ついてない男”が居るのだとするのなら、アタシは“世界一ついてない女”だよ……。


だって、普通ないでしょ?!!

日向ぁ! 起きてよッ!!

アタシは思いっきり日向の綺麗な頬を抓った。



すると―――…

「んあ?」
「日向ぁ~!!! 起きてくれたぁ!」
アタシは日向の手を引っ張った。

「なんだ? 停電か?」
「うん! ってか日向何処?!! 見えないんだけど…」
「……ここ」
「んーと。 そこって事は分かるんだけどさ。 顔が見えない……」


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