花咲く所に恋来たる☆
「ったく。 しょーがねぇ」
「へ?!」
手を引かれ、アタシはまた甘い香りに包まれた。
再び、日向の息が耳にかかり、くすぐったい。
それに、また背中から伝わってくる体温がアタシを温めてくれる。
恥ずかしい。
けど、くすぐったい。
「……日向」
「…電気がつくまで待っとけ」
「う、うん…」
電気がつくまで、このままでいれるんだ…。
このままで……。
「……アイリ」
「な、何?」
「………大切な人、とか居るか?」
ドクンっ
「な、なんで?」
「………いや。 ただ」
この先、聞くのが怖い。
「……居るよ。 大切な、人」
アタシにとって、大切な人は日向、貴方だよ。
気づいてよ…。
だけど、気づかないで…。
この関係が壊れたらどうすればいいの?