花咲く所に恋来たる☆




「……でも、目を放したらスグどっかに行っちまいそうで。


マジでほっとけねぇ」


ヤバっ。
泣きそう…。


――胸が痛い。

ギュって締め付けられて、悲しい。


「……っ」


ダメだ。

ここで泣いちゃダメ。


アタシは泣く立場なんかじゃない。

大丈夫。
………大丈、夫。


「…どした? 何処か痛いのか?」

耳元で囁く、優しい声。


今、話しかけないで……。


……余計、辛くなっちゃう。



涙が、1雫流れ落ちた。

それが運悪く、アタシのお腹に回されてる、日向の手に落ちた。


「……アイリ、泣いてんのか?」

「…泣いてないっ……」

「ウソつけ。 声が震えてる」

「……っ」



次の瞬間―――

アタシの視界が反転し、気づいたら、目の前に日向の顔がうっすらと見えた。



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