花咲く所に恋来たる☆
アタシの上に、日向が跨ってる。
な、んで……。
アタシが驚いてると、アタシの頬に熱を持った手が触れた。
「…何で、泣いてんだよ」
日向の声は、今にも消え入りそうに、弱々しかった。
「……っ…泣いてないしっ…」
「バカ。通じねぇよ」
こんな時にも、日向の言葉、一つ一つに胸がギュっと締め付けられる。
なんでっ…
きっと、このままじゃ、どんどん日向を好きになってしまう。
……見ないで。
そんな甘い眼差しで……見ないでっ…。
……触れないで。
この熱い手で、アタシの手に触れないで…。
怖いの。
好きで、好きで。
日向を愛して、抜け出せなくなっていく自分が。
恋に落ちるのは一瞬。
穴から抜け出すのが一生。