花咲く所に恋来たる☆





「フッ…。 
アタシはアンタの母親か? それとも親父か? 

……違う。
アンタは思ってなくても、アタシはもう、アンタの事、友達と思ってるから」


その瞬間、翔の目が大きく見開かれた。

そして、その目には見逃すことのできない、悲しみを含んだ涙が溢れてて。


そう、泣いていい。

人は苦しみを乗り越えながら生きて行くんだ。


……泣け。

思う存分に泣け。


しゃがみ、翔の頭にゆっくりと手を乗せた。


そして……クシャっと髪を撫で、アタシは微笑んだ。



分かって欲しい。

今の翔なら、きっと分かってくれる。


「……翔は、強い」


ねえ、翔。

今まで我慢してきたんだよね。




< 24 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop