花咲く所に恋来たる☆
「フッ…。
アタシはアンタの母親か? それとも親父か?
……違う。
アンタは思ってなくても、アタシはもう、アンタの事、友達と思ってるから」
その瞬間、翔の目が大きく見開かれた。
そして、その目には見逃すことのできない、悲しみを含んだ涙が溢れてて。
そう、泣いていい。
人は苦しみを乗り越えながら生きて行くんだ。
……泣け。
思う存分に泣け。
しゃがみ、翔の頭にゆっくりと手を乗せた。
そして……クシャっと髪を撫で、アタシは微笑んだ。
分かって欲しい。
今の翔なら、きっと分かってくれる。
「……翔は、強い」
ねえ、翔。
今まで我慢してきたんだよね。