花咲く所に恋来たる☆
いやいやいや。
緑、帰れるの?!
「どうしたんスか? 行きますよ」
「・・・?」
「愛梨さん?」
「プッ!」
「へ?」
「アハハハハっ!!」
あまりに緑が普通にしてるから、もう涙なんか引っ込んで、笑いが出て来たよ……。
そんなアタシを見て、驚いてる様子の緑。
ホント、変わってるよ緑。
アタシは笑いながらも、緑と一緒に、病院を出た。
丁度、タクシーが止まってたから、今日はそれで帰る事にした。
「愛梨さん…。 いつまで笑ってんスか?」
「ハハハッ! だって、緑がっ!」
「…俺が何スか?」
完全に呆れてる緑。
笑いが収まると、アタシはケガを避けて、緑の頭に手を置いた。
「……?」
「ありがとね。 アタシの為にこんなになってくれて」
本当にありがとう。
そして、ゴメン。
こんなのゴメンでは済まないかもしれないけど…。
「いいっスよ? 俺が好きでやったわけですし」
「え? 好きで?」
すると、緑は優しい笑みを浮かべ、小さい声で
「……好きな奴は守りたいですし」
と言った。