花咲く所に恋来たる☆



……泣きたくなってくるよ。
別に喧嘩したくてしたんじゃないし。

何で怒ってんのさ。
意味分かんない。

……この野郎。
この野郎…。

アタシは目にもとまらぬ速さで、ベランダに出た。

「「あ、愛梨さん?!!」」
「ったくもう! 何で怒ってんのさ!! 理由話せっての!! この意味不明俺様王子のバカ野郎ぉ――――っ!!!」

アタシは叫んだ。
叫んでやった。
このバカ野郎に対する不満を。

「ブッ! アハハハッ!! 愛梨ちゃん、ウケルねぇ!」
「愛梨さっ…アハハッ!」
みんな一気に笑いだした。

「アハハ……っておい! ちょ、み、みんなっ!!!」

………何か嫌な予感。

「ひひ、ひっ、日向さんっ!!!」

………ビンゴ~。 イェーイ!!
ラッキーだぜ、ベイベー。


…なんてワケがない。

「……おい」
「・・・」
「…聞いてんのか」
「・・・」
怖くて振りむけませんよ…。


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