花咲く所に恋来たる☆



公園に着くと、子供用の小さなベンチがあって、それに腰掛けた。
緑は、向い合せになるように、アタシの前にあるブランコに腰掛けた。


「……愛梨さん」
「なに?」
しばらくの沈黙の後、緑が真剣な顔して、アタシを見た。

「愛梨さんは、俺らの事どう見てるんですか?」
「へ?」

意味分からない質問に、顔が怯む。

「俺らの事、男として見てるんですか?」
「え…?」

“男として”そう言った彼は、ブランコから立ち上がり、アタシの前に来た。

そして、アタシの髪に大きな手が触れた。


「……愛梨さん、ニブいですね」
「へ? に、ニブっ?!!」
なんか、緑の様子が違う。

アタシに向けられた視線が、甘い。
声も甘くて、優しくて、低くて。
アタシの髪に触れてる手がアタシの頬に当たって…。

熱い。
体温が熱い。

いつもの爽やかで、眩しい笑顔はなくて…。

甘くて、綺麗で、妖艶な笑みを浮かべてる緑が居た。


なんか、フェルモン出てるよ…。
うん、出てるよ…。

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