花咲く所に恋来たる☆



いつもと違う緑に、アタシは戸惑いつつも、胸はあり得ない位、高鳴った。

アタシの髪から頬に手が移り、緑の熱い手がアタシの唇に触れる。


慣れない緑に、アタシは過剰に反応してしまった。


緑はしゃがみ、アタシと目線を合わせた。

余計に高鳴る鼓動。
煩くてしょうがない。

綺麗な顔が目の前にあって…。

熱く、甘い眼差し。
ほのかに漂う甘い香水の匂い。

全て、緑に壊されちゃいそう。

「ねぇ、愛梨さん…」
突然掛けられた言葉に、一瞬肩が揺れる。

そんなアタシを見て、緑はフッと笑い、
「……そんな顔しないで。 襲っちゃいそうです…」

月の明かりが、一層に輝き出し、彼の顔を照らした。
そう言う彼は、あまりに綺麗で、あまりに美しかった。

アタシの鼓動は鳴りやむ事を知らない。

アタシの唇を親指でなぞる緑に、体温も熱くなり、鼓動はもうヤバイ。

「……無褒美ですね」

その瞬間、アタシの唇に…熱い物が触れた。
親指なんかじゃない。

もっと…柔らかくて…。
もっと、熱い。


< 74 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop