花咲く所に恋来たる☆
しばらくすると、タクシーが来て、アタシは緑に乗せられ、お金も渡されて、ドアを閉められた。
ドアを閉める直前に、
「…俺、愛梨さんがそんな無褒美だと、何するか分かりませんよ?」
そう言い、ウィンクした彼に、もう女はイチコロだなっと思った。
お家に着くまで、アタシの頭の中は、緑が占領していた。
お家に着くと同時に、アタシの携帯が鳴り響いた。
ディスプレイには“頼”と光ってて……
アタシは電話に出た。
「…はい」
『あ、愛梨ちゃん? 今何処?』
「…お家」
『良かった。 急にいなくなってたから驚いたよ。 ………今日の事は気にしないでね? アイツ、ちょっと独占欲が強いだけでさ』
「へ? 独占欲?」
なんでここで、独占欲が出てくんの?
アタシ、別に日向のモンじゃないし。
『ハハッ! 愛梨ちゃんニブいね』
さっきも言われた言葉。
アタシの何がニブいの?
『ヤキモチだよ。 ヤキモチ』
「え…?」
あまりの言葉に、言葉が詰まってしまった。