花咲く所に恋来たる☆
「どちら様でしょうか?」
『・・・』
「ちょっと! 誰?!!」
『・・・』
「イタズラ電話ですか?!」
『・・・』
「切りま――『愛梨ちゃん?』
ゾクッ
アタシの声を遮って聞こえたのは、頼でもなく、他の誰でもなかった。
アタシは声で悟った。
“切ろう”
“切らなきゃ”
アタシが切ろうとした瞬間
『ソラ君。 覚えてる? まあ、忘れるワケないよね。 あんなに愛し合ったいたんだから』
な、なんで……。
『……俺もあの時の事忘れる事、ないね。 まだ頭の中に鮮明に残ってるよ』
や、ヤダ…。
なんで、アタシの番号…。
『アレ? どうしたの? あ、もしかして泣いてる? 可哀―――「っ! ヤメテっ!! ヤメテっ!!! ヤメテ……」』
アタシの声が、だんだん弱気になっていく。