花咲く所に恋来たる☆
「…二度と電話してくんな。 次、テメェの声を聞いた時には、テメェの家を血祭りにしてやらぁ」
一瞬で、背筋が凍った。
日向はそれだけ言うと、携帯を切った。
そして、アタシの前にしゃがみ込んだ。
「……泣くな。 前も言ったろ」
「……っ」
「アイリに涙なんて、似合わねぇんだよ…」
そう言った彼は、アタシの頬に伝わる涙を、温かい手で拭ってくれた。
「…ハァ。 全部、狂わされてる……」
日向が何か呟いたけど、アタシには聞こえなかった。
フワっ
え…?
アタシを甘い香りが包んだ。
背中にしっかりした手が回って居て……
「……小さい」
そう吐いた日向は、アタシをスッポリと包んでいた。