花咲く所に恋来たる☆



「…二度と電話してくんな。 次、テメェの声を聞いた時には、テメェの家を血祭りにしてやらぁ」

一瞬で、背筋が凍った。

日向はそれだけ言うと、携帯を切った。


そして、アタシの前にしゃがみ込んだ。

「……泣くな。 前も言ったろ」
「……っ」
「アイリに涙なんて、似合わねぇんだよ…」

そう言った彼は、アタシの頬に伝わる涙を、温かい手で拭ってくれた。

「…ハァ。 全部、狂わされてる……」
日向が何か呟いたけど、アタシには聞こえなかった。


フワっ

え…?

アタシを甘い香りが包んだ。
背中にしっかりした手が回って居て……

「……小さい」
そう吐いた日向は、アタシをスッポリと包んでいた。


< 86 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop