学園(姫)

楽しい一時

数日が経ち、のほほんとした日が続く。

段々と強くなる日差しが、生徒達を焼き付ける。

龍先輩との進展はあるようなないような、そんな感じである。

もちろん、努力は欠かさないぜ?

うっとうしさを見せないくらいに茶道部に足を運んだりしてるからな。

かといって、毎回先輩がいるわけでもない。

「うーん」

決定打が足りない。

教室の中で悩んでいた。

だからといって、焦ったところで仕方のないものもある。

「もうすぐテストかよ」

「嫌になるな」

教室内でクラスメイトの嘆きが響き渡る。

「テストか」

そうだ。

テスト勉強というイベントを有効利用するしかないだろう。

先輩も勉強があるから賭けになるが、やらないよりはいい。

授業はそこそこ聞いているから分かる事は分かる。

しかし、イベントに持っていくのなら、自然に解らないフリでもしよう。

そして、今はテスト前だから部活も強制的に休みになっている。

「ふ、ふふ、ふふはははは!」

「キモイ」

クラスメイトの乾がポツリとつぶやいた。

「うるせえやい」

早速、先輩のアポをとりに行かなければならない。

昼休みになった今、俺は先輩の下に急いだ。
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