学園(姫)
リビングの中へと先に入った時に仕掛けられていた罠。

龍先輩の盗撮写真が三枚、机の上にのっていた。

体操服に着替えるところ。

スクール水着に着替えるところ。

一人で猫と戯れているところ。

最後のはやらしさはないが、前者二つが不味い。

しかし、吟ネエの撮影技術には恐れ入る。

全部欲しいぞ。

いや、そんな事を言ってる場合ではない。

「まじか」

「何が、まじなのじゃ?」

俺の後ろから覗こうとしている。

バレれば危険。

「先輩、危ない!」

「え、え?」

先輩を抱きしめながら廊下へと倒れた。

「どうしたのじゃ!?」

「ふう、ちょっとリビングに危険物が落ちてたんですよね」

「そなたの家は、そんなに危険な場所なのか?」

「世にも恐ろしいくらいに」

そういいながらも、龍先輩の感触と匂いをたっぷりと味わう。

幸せすぎて、今すぐにでも昇天してしまいそうである。

「勉強どころではないではないか」

「俺の部屋なら、安心です」

「そなた、危ないというのは本当かえ?」

ジト目で疑われている。

しかし、嘘ではないのは確かだ。

ただし、危険なのは俺だけという条件なんだよな。
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