学園(姫)
「本当ですよ」

真剣な瞳で龍先輩を見つめる。

真正面から見る龍先輩も美しい。

きっと、お母さんも綺麗なんだろう。

「そなたを信じよう」

一難さってくれたようだ。

しかし、わざと置かれたかのような罠だったな。

吟ネエ以外に犯人はいない。

今置くべき物ではないが怒る気はない。

後で吟ネエに交渉しよう。

「こっちです」

写真を見せないように、俺の部屋へと案内する。

「ここが、丞の部屋かえ?」

「はい、といっても何にもないでしょ?」

「ワラワには、とても珍しいものばかりじゃ」

先輩の部屋はどんなものなのだろうか。

気になってくる。

「先輩、座ってください」

ザブトンを先輩の近くに置く。

「すまぬな」

「いえいえ、ちょっと待っていてくれますか?」

「うむ」

俺は二人で勉強できる机を、一階まで取りに良く。

そして、自分の部屋に戻った瞬間。

衝撃が走った。

龍先輩が、興味津々にエロ本を読んでいる。

もちろん、俺のだ。

ちゃんと隠したはずのエロ本が何故?

「は!これは違うのじゃ!思春期故の行動なのじゃ!」

俺の存在に気付いた龍先輩が紅くなりながら、エロ本を背に隠した。

「あ、は、はい、そうですね」
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