学園(姫)
龍先輩は相変わらずのワンピースである。

似合ってるしキュートだから、文句のつけようがない。

そして、エプロン姿の龍先輩を見ると、心が安らぐ。

「龍先輩、今日は何を作ってくれるの?」

「む」

また不機嫌な顔になってしまった。

「こほん、姫ちゃん、今日は何を作ってくれるの?」

「そうじゃな、出来てからのお楽しみじゃ」

多少失敗したところで、人の食べられない物になる事はないだろう。

しかも、龍先輩ときているのだから、問題はない。

期待しておく事にしよう。

龍先輩は準備を始めた。

俺は椅子に座ろうとしたところで、下着姿の吟ネエが入ってくる。

「ふぁあ、ん、何で龍がいるアルか?」

「吟、そなた、何と言う格好をしておるか!」

料理を中断して、吟ネエの前に立った。

「アチシの家なんだから、自由アル」

「じゃが、家には丞ちゃんもいるのじゃぞ」

「丞、ちゃん?」

眠そうな顔つきで、俺を見る。

「にゅふふ、お前達、やったアルか?」

「何と不埒な事を言うのじゃ!」

「ふぁあ、つまらないアル。どうせ、やるんだから手っ取り早くやれアル」

そう言いながらも、龍先輩の耳元で息を吹く。

「わああ!そなた、ふざけるでない!」

吟ネエに裏拳を決めようとするものの、簡単に回避した。

「料理を作ってるなら、アチシにも分けるアル、いいアルな?」

そう言いながら、嵐のように去っていく。

「はあ、はあ、誰が食わせるものか!」
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