学園(姫)
歩きながら、俺は姫ちゃん情報を聞き出す事にした。

「姫ちゃんは、映画とかって見るの?」

「見るぞえ」

「どんなの?」

「色々なのを見るが、ワラワはアクションがいいのう」

「へえ、アクションね」

意外だ。

もっと、歴史物とか未定そうな感じがしたんだけどな。

「そういえば、今、アクション物の映画やってるね」

「そうなのか?」

「確か『グレイヴ・バスター』って奴だったかな」

「洋画か」

「敵組織が建てた特殊な墓石を破壊するために作られたサイボーグが活躍する映画だってさ」

「不思議な設定じゃな」

「面白いかどうかは別にして、格好いいのかどうなのか分からないな」

墓石を破壊って、死者を冒涜しているような気がするな。

タイトルのまんまで受け取ればの話だけどな。

「今度、見に行く?」

「そうじゃな、そそられる物がある」

「よっしゃ!」

拳を握り締めて、うれしさのあまり電柱に拳をぶつける。

「いっつつ」

「安易な気持ちで物を殴る出ない」

さっき、俺は掌底を食らいましたが?

それを言うつもりもない。

「物にも命はある。その時まで優しくしてやるのも人としての勤めじゃ」

「そうだな」

魂があるのかわからないが、耐久度があるのは確かな話だ。

反論することなく素直にうなづいた。
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