大切な人
花咲さんから花の香りがする…。
すごく…いいにおいだな………って俺は変態かっ!!
そういえば花咲さんの名前って「花」もつくし、「ユリ」もつくから、花って感じだなぁ……。
名前も綺麗で、顔も美人って………悪いところないじゃん!!
花咲さんを見たいけど……、こんな距離じゃ見れねぇよ!
今目があったら…確実に精神が崩壊する!
授業になると、真剣にやる人もいれば、友達と話している人もいる。
俺は……花咲さんが気になって、授業なんてどうでもいい。
教科書はいちょう開いてるけど……
俺はチラッと花咲さんを見る。
細くて白い腕……。それを見ただけなのに、ドキッとする。
やばい……ドキドキしすぎて死にそうだ……、俺…生きて帰れるかな…?!
そう思っていると、俺はハッとした、何やら視線を感じるっ…!
恐る恐る視線が感じる方を向いてみると、星夜、薫、智紀、優が俺をにらんでいる。
優に関しては笑顔だが、かすかににらんでいて怖い……。
しかも星夜は、隣にいる青葉に話しかけられてて、怒りがたまっているのだろうか、俺をにらみながらシャーペンを折った。
ご愁傷様……。
「陸くん。」
ドキーーッ!!!
そ、その声は………花咲さんっっ!!
「な、なに?」
跳ね上がる鼓動を、必死に抑えた。
「美月……ちょっとうるさい時もあるけど、本当はすごい優しい人だから…。」
「お、おう……。」
い、いや……そんな風に言う、花咲さんの方が優しいと思うけど……。
俺は星夜の方を見てみると、また青葉と喧嘩をし始めている。
「また喧嘩しちゃってますね…。」
どうやら花咲さんも呆れているようだ。
「陸くんって、内田さんたちと仲いいですよね。」
「あ~…家が近所だから、小さい頃から仲いいんだよー。」