大切な人
学校に行くのが…怖い……
毎日毎日同じことを思いながら通う学校。
行きたくない……。
それでも時は流れる、逆らうことはできない。
重く感じる足取りを無理矢理運びながら教室に入った……その時だった。
黒板に書かれていた……
「花咲ユリは友達を裏切った!」
「サイテー」
「最悪!!」
「そこら辺の男と遊びでつきあってる!」
「マジやばくない?」
「花咲ユリ最悪!!」
「学校に来るな!」
「死ねばいいのに。」
クラスのみんなが私を見て、微かに笑っている。
知らなかったの……
お願い……聞いて……
世界が白い……それとも……闇……?
助けて………
たすけて………
タスケテ………
消えようか……いっそ消えて……闇と一体化しようか……
絶望の中、光が差し込む。
なんだろう……?
「早く消せよ。」
声が聞こえてきた。
闇から現実に戻されると、目の前には黒板消しを持った美月がいた。
今まで全く話したことがない人だった。
「早く消せって言ってんだろ!!!!」
静まり返った教室の床に、黒板消しを叩き落とした。