大切な人


花咲さんのことで頭いっぱいで、頭を抱え込む。



…頭……痛い……



なんだか…気持ち悪くなってきた……。



意識がやべぇ……



すると智紀が心配して来た。



「おい!どうしたんだよ!陸!」



智紀がゆっくりと俺を立たせる。



「だ……大丈夫だよ…。」



「大丈夫じゃないだろ!顔色悪いぞ!」



その声が聞こえたのだろうか、みんなかけつけてきた。



「陸斗!!」


「陸くん大丈夫ですか?!」


「大丈夫か?陸斗。」


「今日の給食で、なにか悪い物でも食べたんだね……。」


「ユーちゃん!そしたら今頃僕たちも、食当たりで倒れてるよぉ~!」



俺のことなんか……心配しなくていい……



俺……お前らのことが大切なのに……



今は花咲さんのことでいっぱいなんだ……



智紀が俺の額を触る。



「熱っ!!陸、熱あるじゃん!!」



「ま…まじで…?」


自分の体調のこともわかんないでいたのかよ……。



かすかにみんなの心配そうにしている顔が見える。



こんなに……こんなにいいやつらなのに……。



最後に映ったのは、花咲さんだけだった…。



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