大切な人
「ってことは!陸のことが好きなことを認めたなっ……!」
教室が静かになる。
そして青葉の顔は今にも爆発しそうだ。
「うるさあぁぁーーい!!!」
変態の腹に再びパンチを入れた。
「お…俺の腹は…サンドバックじゃ…ねぇ……。」
再び変態は倒れ込んだ。
一生そこで寝てくれればいいんだがな……。
「クロちゃ~ん!!」
チビが変態のもとへ行く。
俺たちはまた無視すると、優が言った。
「青葉さんは告白しないの?」
青葉が骨を鳴らす。
「し、しないよ!で、できるわけないじゃん!」
骨を鳴らしながら言う言葉じゃないけどな。
ってか告白しないほうがいいぞ。
なんせ陸斗は花咲のことが好きだからな。
しかし……
俺は優を見ると、いつものようににこにこしている。
優はそれを知っておきながら、青葉に告らせようとしている……、ライバル潰しか……?
それともいつもの天然か……?
……読めないやつだ……。
そう思っていると、チビが騒ぎはじめた。
「クロちゃんが本当に苦しそうだよぉ~!」
青葉の赤い顔が、一気に青へと変わる。
「えっ?!あ…あたしのせいっ?!」
さすが馬鹿力女。
「保健室に連れていこう~?!」
チビが変態を運ぼうとしたが、所詮チビ。
身長だけは馬鹿でかい変態を運べるはずもない。
「重いよぉ~!セイちゃん手伝ってぇ~!」
「は?めんどい。」
「ひ、ひどいよぉ~!!」