大切な人


「ってことは!陸のことが好きなことを認めたなっ……!」



教室が静かになる。



そして青葉の顔は今にも爆発しそうだ。



「うるさあぁぁーーい!!!」



変態の腹に再びパンチを入れた。



「お…俺の腹は…サンドバックじゃ…ねぇ……。」



再び変態は倒れ込んだ。



一生そこで寝てくれればいいんだがな……。



「クロちゃ~ん!!」



チビが変態のもとへ行く。



俺たちはまた無視すると、優が言った。



「青葉さんは告白しないの?」



青葉が骨を鳴らす。



「し、しないよ!で、できるわけないじゃん!」



骨を鳴らしながら言う言葉じゃないけどな。



ってか告白しないほうがいいぞ。



なんせ陸斗は花咲のことが好きだからな。



しかし……



俺は優を見ると、いつものようににこにこしている。



優はそれを知っておきながら、青葉に告らせようとしている……、ライバル潰しか……?



それともいつもの天然か……?



……読めないやつだ……。



そう思っていると、チビが騒ぎはじめた。



「クロちゃんが本当に苦しそうだよぉ~!」



青葉の赤い顔が、一気に青へと変わる。



「えっ?!あ…あたしのせいっ?!」



さすが馬鹿力女。



「保健室に連れていこう~?!」



チビが変態を運ぼうとしたが、所詮チビ。



身長だけは馬鹿でかい変態を運べるはずもない。



「重いよぉ~!セイちゃん手伝ってぇ~!」



「は?めんどい。」



「ひ、ひどいよぉ~!!」



< 35 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop