大切な人


自分なりに男らしく立ち向かう。



セイちゃんのお家……



負けない…!!



ピーンポーン



勇気をだしてインターホンを鳴らすと、足音が聞こえてきた。



「はい……。」



セイちゃんが出てきた。



僕は静かに睨んだけど、セイちゃんに目をそらされる。



「なんか…ようでもあんのか?」



言葉にいつもより勢いがない。



これはチャンスだ!



「なんでクロちゃんのお見舞いにこなかったのっ?!」



微かにセイちゃんが動揺したのに気づく。



「わ…悪い……。」



…えっ……?



素直に…謝った……。



「悪い…俺寝る。じゃあな。」



静かにドアを閉めてしまった。



えっ……えぇっ?



その場で立ち尽くしてしまった。



意外な反応だなぁ……



家には帰らず、公園へと向かう。



なんで公園へ行こうとしてるんだろぉなぁ……



でも、家に帰る気分にもなれない……。



小石を蹴る。



普段なら冷たい言葉を言ってるのに…



今日は素直に謝ってきた。



それはそれでいいんだけどぅ……



さっきのセイちゃん……おかしかったような気がする……。



疲れてるような、落ち込んでるような……。



もしかして、クロちゃんのお見舞いに行かなかったことを、反省してるのかなぁ?



いつの間にか公園に着く。



夕暮れ時で子供たちもいなく、寂しささえも感じる静けさだ。



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