大切な人
「そっかぁ!ユリちゃんもよくここで遊んでいたの~?」
「ん…私はあまり遊びませんでしたね。」
僕は隣のブランコに座った。
「ユリちゃんはおとなしいから、お家で読書とかしそうだなぁ。」
ユリちゃんが苦笑いをする。
「たしかに読書は好きですが、たまには外でも遊びましたよ!」
「そ、そっかぁ~!」
………
この無言はなんだろう……
ドクンドクン……
こんなに静かだと、僕の鼓動の速さがバレちゃうよぉ!!
なにか言わなきゃ……なにか話さなきゃ……!!
「カオちゃんはよくここで遊んでいたのですか?」
自分から話そうと思ったら、ユリちゃんから話しかけてくれた。
「う、うん!小さい時から、リクたちとよく遊んでたよ!」
「そうなんですか!」
「鬼ごっことかしたけど、よく僕が鬼になって、転んで泣いたりしたなぁ。」
ユリちゃんが笑った。
天使みたいだなぁ……
「みなさん…本当に仲良しなんですね。」
「うん!僕、み~んな大好きだよ!」
僕がそう言うと、ユリちゃんが遠くを見て、悲しそうな顔をする。
どうしたんだろう……
僕、なにか悪いこと言っちゃったかなぁ?
「僕はユリちゃんのこと、大好きだよ?」