大切な人
星夜のいきなりの冷たい言葉。さすがの俺らも唖然とする。
さすが星夜だ…、初対面の女に向かって…。
「ブ…ブスって……最っ低!!」
あ~ほら~怒っちゃったよ~~。
「どうしたのー?美月ー?」
すると、後ろからあの花咲ユリが来たのだ!
か……かわいいっ…!!
心臓がはねあがる、お……抑えるんだ…。
「ユリ~!こいつにブスって言われた!!」
必死に言ってるが、花咲さんは苦笑いをしている。
「大体、名前で呼びなさいよ!!」
「名前知らない。」
星夜のその言葉によってまた怒った。
「あんたの隣の席にいたでしょ!」
「あー……ブスなやつはいるなーっては思ったけど…。」
「最低!!!」
どんどん喧嘩が激しくなっていくと、薫が止めに入った。
「ぼ、僕は覚えているよ!青葉美月さんだよね?」
「あら!よく覚えてたね!ありがとー!」
すっかり機嫌をよくした青葉に、星夜がなにかを言おうとした瞬間、智紀が口をふさいだ。
ナイス智紀!!
「ところで、あんたの名前はなんていうの?」
俺に青葉が聞いてきた。
「俺?藤森陸斗。」
すると、花咲さんが反応した。
「あ!隣の席にいた人だよ…ね?」
真っすぐな瞳で、俺を見ている…。
そう思うと、また心臓がバクバクしはじまた。
「あ……あぁ。」
「私は花咲ユリ、これからよろしくね。」
緊張しすぎて、ただうなずくことしかできなかった。
「まぁ、いーや。ユリ!行こう?」
青葉がそう言うと、花咲さんもどこかへ行ってしまった。
「俺らもどっか行くかっ!」
みんなにそう言って振り向くと、全員俺の顔をジーッと見ていた。