大切な人
やっと学校が終わり、いろんな意味でクタクタだった。
初日から遅刻するし、星夜は初対面に傷つくようなことを言うし…。
よく俺ら友達でいられたな……。しかも同じ高校…。
大体、星夜と優はなんでこの高校に来たのかがわからない。
2人は頭がいいから、もっと上の高校に行けるっつーのに…。
俺が「なんでもっとレベル高い高校に行かなかったんだ?」
と聞いたら、
星夜は「めんどい。」って言ってるし、優は「楽していたいから。」と答えた。
…よくわかんねーやつらだな……。
「にしても、あの花咲ユリって子……かわいかったなぁ~~。」
智紀がそう言うと、星夜が言った。
「かわいいかわいい言ってんな、変態が移るだろ。」
また始まったよ…。
「おまえはいつものよーに、そこらへんの女と同じように見てるだろ。」
「っなわけねーだろ?!マ、マジでかわいいんだよ!いつもと違うんだ………やりてーとかじゃなくて…。」
「お…俺も……。」
俺は少し間をおいて言った。
「花咲さんを見ると、すっげードキドキする…。今までにこんなことなかったのに……。」
俺はいつも告られてからつきあうタイプだった。
ぶっちゃけ相手のこと好きでもねーのにつきあってて、本当の恋なんてしたことなかった…。
「僕も同じだよう!!」
「俺もだ。」
「僕も…かな?」